こんにちは!
2014年~2016年までイギリス大学院(Cardiff University MSc Physiotherapy)に留学していました、理学療法士(PT)まりあんです。
理学療法士がイギリスに大学院留学するには、
どのくらいの英語力が求められるの?
昔から英語は苦手…。そんな自分でも大丈夫かな?
まりあんの英語力は留学前どれくらい上がった?
授業にはついていけたの?
「大学院留学」と聞いて、まず気になるのはどのくらいの英語力が必要なのか、ということですよね。筆者も大学院留学を思いついた時、真っ先に浮かんだ疑問です。
そして、出願時は勿論のこと、無事大学院に合格!となっても果たして授業についていけるのか、不安に思いますよね。
今回は、イギリス大学院留学で必要な英語力について、筆者の体験を交えながらお話します。ぜひ最後までお読み下さい。
1.理学療法士の大学院留学で求められる英語力
一般的に理学療法士のイギリスの大学院留学には、出願の際に
IELTS6.5以上
が必要です。これは、英検準1級以上、TOEIC820点以上に相当しますので、かなりのレベルが求められていることがわかります。
ただし、前回の記事でお話しした通り、イギリスには「条件付き合格」という制度があります。これは、「付属の語学学校(pre-sessionalコース)を卒業すれば大学院への入学を認めます」というもの。ですので、出願時に大学院の求める英語スコアに達しなくても大丈夫です。
とは言え、pre-sessionalコースに入るのにも一定のスコアが求められますし、あまりにスコアが低いと大学院に入ってから苦労します。やはり日本での英語学習は必須です。
私が参加した無料留学セミナーでは、最低限IELTS5.5は日本で取ってから行くようにと言われました。IELTS5.5は、pre-sessionalコースに入れる最低ラインであることも多いので、まずはそれを目指して勉強すると良いと思います。
ちなみに、IELTSとは…
・IELTS =International English Language Testing Systemの略 ・アカデミックモジュールとジェネラルモジュールがある。 ※大学・大学院留学者向けはアカデミックモジュール。アカデミックな英語力を測る。 ・4つの技能(Reading, Listening, Writing, Speaking)を別々にテストする。 ・スコアは1.0~9.0。0.5刻みで評価される。 ・各パートのスコアとその平均がトータルスコアとして出る。 |
スコアの目安として、ネイティブレベルだと9.0、日本の高校~大学卒業レベルだとoverall4.0~4.5(英検2級レベル)を取る方が多いそうです。
では、スコアを0.5上げるのに、どのくらい勉強すれば良いのでしょうか?
一般的にはスコアを0.5上げるのに、100~300時間の勉強時間が必要と言われています。これは、毎日2時間英語を勉強したとして、3ヶ月程度かかる計算です。
ということは、現在IELTS4.5の人が大学院留学レベル(IELTS6.5)に達するには、最低1年はかかるということ。ただし、これは正しい英語学習をして、なおかつ1日中英語学習に時間を割ける人の場合です。実際は仕事をしながら勉強する人が多いと思うので、それ以上の期間がかかる覚悟は必要です。
英語が元々苦手で、学生時代の英語の成績は下の方…。
そんな私はどうすればいいかな?
英語があまり得意でない方は…
焦らず、まずは、中学・高校レベルの英語力をつけることが先決です。IELTSというのは、基本的な英語力があるのは当然のこととして、そこにアカデミックな英語力が備わって初めてスコアが伸びます。
英語が苦手でも大丈夫!と言ってあげたいのですが、IELTSは英語初心者がいきなり受けてスコアを出せるほど甘い試験ではないんです…。まずは、英検準2級や2級程度の英語力をつけ、その後IELTSの試験対策をすることをお勧めします。諦めないで下さいね!
ちなみに、筆者は、大学時代に英検2級を取得し、3週間のオーストラリア短期留学経験がありました(といっても短期留学後もほぼ喋れないレベル)。それでも、社会人になってからほぼ英語から離れていたので、大学院留学を決意してから最初の1年は、英検2級レベルの英語力に戻すのに費やしました。
2.【体験談】筆者の留学前の英語力
結論から言うと、筆者の留学前の最終スコアは、
IELTS6.0
残念ながら、大学院の求めるIETLS6.5は取得できませんでした。ですので、私は出願時overall6.0で条件付き合格をもらい、8週間の英語pre-sessionalコース経由で大学院留学をしました。
筆者の英語力推移としては、
2011年3月に留学を決意した直後に受けた、無料留学セミナーのIELTS模試で
Overall4.0~4.5
(あくまで模試なので、参考程度)
2013年3月、初めてIELTS受験。結果は、
overall5.5
(R5.5, L5.5, W5.0, S6.0)
その4か月後(2013年7月)に意外とあっさり
overall6.0
(R5.5, L5.5, W6.5, S5.5)
しかし、その後1年は結構伸び悩んで、最終スコア(2014年5月、渡英2か月前)は、
overall6.0
(R6.0, L5.5, W7.0, S6.0)
上記以外にもIELTSは数回受験しており、リーディングは6.5を取ったこともありました。最終IELTSでリーディング6.5を取れていれば、overall6.5に到達したのに…と悔しかったです。
全体的に私はリーディングとライティングはそこそこ伸びたのですが、リスニングとスピーキングは、スコアだけで見れば全然伸びませんでしたね。日本で仕事をしながら、IELTS6.5を取ることの難しさを感じました。
3.大学院入学後に求められる英語力の実際
自分ではかなり英語を日本でやっていったつもりですが、やはり留学してから英語の悩みは尽きませんでしたね。Pre-sessionalはどうにか卒業したものの、それでも、大学院に入学して授業で先生が言っていることはよくわからなかったです。私は専門分野の英単語をほとんで覚えずに行ったので、それも当然なんですけどね。
ただ、大学院の課題で求められたのはほぼペーパーで、文献をひたすら読んで、英語でエッセイにまとめること。授業内容が多少わからなくても、授業中の議論に参加できなくても何とか卒業できました。(学校によりけりだとは思います。)
また、研究のデータ取りで他の留学生と英語でやり取りする際は、「データ取り」という限られたシチュエーションの中でのコミュニケーションでしたので、ジェスチャー+単語のみで通じる場面も多かったです。
とにかく大学院で必要なのは、一にも二にも
リーディング力+ライティング力+論理的思考力
です。私の感覚では、多少英語の語彙力・表現が不十分であったとしても、論理的思考力があれば、課題は通過できた印象です。逆に言うと、論理的思考力がないと結構苦労します。
そもそも英語というのが論理を求められる言語なんですよね。日本語は「察する」文化ですので、いちいち理由を説明しなくても済みます(理由をいちいち説明すると逆にくどい…)。
一方の英語はそうはいきません。「私は~と思う。理由は①~、②~、③~、だから私はこう思う。」という流れをほぼ必ず踏みます。
これは英語力とは別の部分です。日本語で文章を書くのが苦手だなと思う方は、まずは日本語でしっかりと論理的な文章を書けるようにしておく、というのも大事かもしれません。
4.まとめ
本記事では、理学療法士が大学院留学するのに必要な英語力について、説明してきました。
結論としては、
・最低IELTS5.5は日本で取得し、「条件付き合格」をもらって、留学すると良い。
・英語が苦手な方は、まずは英検2級レベルの英語力をつける。
・大学院留学に向けて、リーディング・ライティング・論理的思考力を特に鍛えておく。
お読み頂きありがとうございました。